【厳選!オモシロ先例2】

土地家屋調査士が他の土地家屋調査士の補助者となることは問題ないか

 一口に土地家屋調査士といっても千差万別で、長年バリバリやっている先生から、登録したて実務未経験の先生までいる。
 実務未経験の場合、即独立して土地家屋調査士業を営むには相当にハードルが高く、事実上ある程度の修行(勤めて実務を覚えること)が必須というのが業界の常識である。
 そんな中、土地家屋調査士が土地家屋調査士の下で修行するには、どうしたらいいか。
 まず一つに法人に勤めることが考えられる。
 土地家屋調査士法が改正されて社員土地家屋調査士だったり使用人土地家屋調査士として正々堂々と勤務土地家屋調査士ができるようになった。
 しかし、個人事務所の場合はどうでしょうか。
 同じ場所で登録するのであれば必然と共同事務所という形態になるが、実態は修行するために土地家屋調査士の下で修行をするのであるから、いわば補助者のようなものである。
 この場合、土地家屋調査士が他の土地家屋調査士の補助者になれるのか?という疑問が湧いてくる。

その答えは先例にありました。

昭和35年8月29日
日記番号民事甲2087
先例区分登記
変更区分
全文昭和35年1月28日付日記総第705号京都地方法務局長照会・昭和35年8月29日付民事甲第2087号民事局長回答 【2093】 標記について左記の点に疑義がありますので何分の御垂示を賜わりたく卑見を添えてお伺いいたします。記一、土地家屋調査士が司法書士または他の土地家屋調査士の補助者となることは差し支えないか。二、司法書士が土地家屋調査士または他の司法書士の補助者となることは差し支えないか。三、司法書士または土地家屋調査士が相互にその補助者となることは差し支えないか。卑見 右差し支えないとすれば嘱託人の便益は大きいが、使用者及びその補助者が単独にあるいは相謀つて法を逸脱する虞れがあるのみならず司法書士及び土地家屋調査士の品位にも関することと思料されるので右補助者となることは相当でないと考えます。 なお、右については、差し支えない旨昭和27年1月19日付貴官御回答(同月17日付福島地方法務局長照会)がありますが、その後同31年3月22日司法書士法及び土地家屋調査士法の改正により補助者制度が改められ、前記御回答の当時とはいささか事情を異にしておりますのでお伺いする次第であります。回答 昭和35年1月28日付日記総第705号をもつて問合せのあつた標記の件については、いずれも相当でないと考える。

 この先例を見ると、土地家屋調査士が土地家屋調査士を補助者とすることは相当でないとされています。
 そうはいっても、地域によっては法人がないところもあるし、どうやって修行をしたらいいのだろうか。
 これについては、「外注」だったり「業務委託」といった形で土地家屋調査士が土地家屋調査士に業務を依頼する手法がとられているのが実情である。
 そのため、依頼を受けた土地家屋調査士は、仕事はおそわりつつも当然土地家屋調査士として責任を持って業務を行うこととなる。

 そして問題なのは、土地家屋調査士が土地家屋調査士を土地家屋調査士として雇用することの是非である。
 これについては、先例はないが、AIの解答では「可能」とのことである。しかし、土地家屋調査士が土地家屋調査士を補助者とすることができない以上土地家屋調査士が土地家屋調査士を雇用することはできないようにも思われるが、弁護士が弁護士を雇用したり、司法書士が司法書士を雇用する場合もあるという話も聞くため、いずれ調査士会に問い合わせてみたいと思う。
 土地家屋調査士法を見る限りだとそのものずばりの条文はないため、会の解釈判断にゆだねられるのでしょう。
 ただ、これを是としてしまうと、調査士法人という制度の意味がなくなるためやっぱり消極に解するのが妥当だと思われる。

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